Welcome to my blog

今季22本塁打の超詳細データから、 打者・大谷翔平の弱点を探してみた。

たまごバナナ

たまごバナナ

今季22本塁打の超詳細データから、打者・大谷翔平の弱点を探してみた。


dHt2kKje.jpg


photograph byAFLO
バットを振ればボールは外野スタンドに一直線。大谷翔平のHRは何度でも見たい驚きの弾道だった。
text by
松本宣昭(Number編集部)
Yoshiaki Matsumoto


読書の秋、食欲の秋、芸術の秋。でも今年は、データの秋……。

 Number963号の大谷翔平特集に掲載する「大谷翔平2018全ホームラン」ページ作成のため、この秋はMLBのデータ解析システム「スタットキャスト」と真正面から向き合ってみた。

 なにしろ和製ベーブ・ルースは、104試合で22ものアーチを放ってらっしゃる。その飛距離、打球速度、打球方向、対戦投手、球速、球種、イニング、カウント、走者、何打席目かを徹底的に調べ上げる。

 小早川毅彦さんによるホームラン解説の取材も終わり、連日の深夜作業の末に、無事誌面も完成。ふーっと一息ついていたら、鬼デスクからこんな指令が飛んできた。

「今回調べたホームランのデータを基に、打者・大谷の弱点を調べて、NumberWeb用の記事を書いてくれ」

 データの秋、延長戦に突入。とはいえデスク、簡単に「弱点」と言われましてもねぇ。

HRの平均飛距離は125.14m。
 
今季、大谷が放ったホームランの平均飛距離は125.14m(ちなみにエンゼルスタジアムのホームからセンターフェンスまでの距離は121.9m)。平均打球速度は、171.22km。しかも22本のうち、ライト方向8本、センター9本、レフト5本と、広角に打ち分けている。

 重さ約148gのボールを、テニスの錦織圭のサーブ並みのスピードで、あらゆる方向に125m以上もぶっ飛ばす。そんなパワーと技術を持つ怪物に、弱点なんてあるのだろうか。


 開幕当初、メジャーの投手たちは、その「弱点」の1つが内角だと思っていたはずだ。4月3日、本拠地デビュー戦で放った初ホームランこそ、内角への118.4kmのカーブをすくい上げたものの、その後の2号、3号は外角への速球。

 そこから20日近く一発は出ていなかったから、きっと対戦投手は「内角に速いボールさえ投げておけば、ホームランはない」と分析していただろう。


小早川が衝撃を受けた打ち方。
 
ところが4月27日、早くも「大谷分析」は修正が必要になる。ヤンキース戦の2回裏、先発ルイス・セベリーノが内角に投じた156.4kmのフォーシームを、ライトスタンドに弾き返した。

 この一打を、小早川氏はこう解説する。

「おそらく投手として、あの球は『打たれることはない』と確信したボールだったと思います。内角の速い球というのは、それだけ打者にとって難しいのです。決して失投ではありません。ところが、それをスタンドまで運んでしまった。さらに、私が衝撃を受けたのは打ち方です――」

 ここから小早川氏は、プロの世界でホームランを打ち続けた者にしか分からない、ディープな技術論と、あの1本が対戦相手にもたらすダメージを語ってくれた。

大谷自身も手応えを得ていた。

 そして大谷自身も、この一発には手応えを得ていた。巻頭のインタビューで、こう明かしている。

「セベリーノ選手から打ったホームランは、けっこうよかったと思います。インコースのボール球、97マイルのまっすぐだったんですけど、あれは今までだったら絶対に打ててないところでした。それを、反応で打てた。しかもホームランにできたというのは、(他のピッチャーに対しても)その後の精神的なアドバンテージが違ったと感じています」

 メジャーを代表する右腕からの一撃で、内角攻めも克服した。では、球種についてはどうか。今季放った22本塁打の球種の内訳は、以下のとおりだ。

フォーシーム=11本
ツーシーム=4本
シンカー=3本
チェンジアップ=2本
カーブ=1本
スライダー=1本

 直球系が半数以上を占めるが、変化球にもうまく対応している。強いて言えば、スプリットを打っていないことが、大谷にとってのネガティブな傾向か。

一番多いのは第1打席の本塁打。
 
続いて、何打席目でのホームランが多いか。

第1打席(代打含む)=9本
第2打席=6本
第3打席=3本
第4打席=3本
第5打席=1本

 メジャー移籍1年目、初対戦のピッチャーばかりのはずなのに、第1打席が最も多いのだから驚きだ。カウント別に見ても、初球に5本を放っている。

 外角でも、内角でも、初めて見る球筋でも対応しちゃう。デスク、いち編集者に「打者・大谷の弱点」を見つけることなんて、やっぱり無理です。

 あえて、今後対戦する投手にアドバイスするとしたら、「大谷にホームランを打たれたくなかったら、特に第1打席はスプリットを投げまくれ」ってことぐらいでしょうか。
最終更新日2018-11-07
Posted byたまごバナナ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply